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断食明け
一部のアラブ諸国で今日ラマダーンが明け、
人々が断食明けの祭日を祝いました。
国、時には宗派によってラマダーンの時期は異なりますが
いずれにせよ新月を基準としているので
違ったとしてもせいぜい1日か2日です。
今日、ラマダーン明けを迎えなかった国々は明日が断食明けの初日となり
その後数日間が祭日となるようです。



今日のアルジャジーラでは
断食明けの祭日を迎えたエルサレムから中継リポートがありました。
アルジャジーラの中継といえば
だいたいは事件や災害、選挙など
お堅いニュースを伝える場合に行われることが多く
今回のように楽しい話題のものは滅多にないので
とても新鮮な感じがします。

祭日の礼拝が終わって人々がぞろぞろと出てくる
モスクの前の広場からリポートするのは
エルサレム特派員のイリヤース・カッラーム。
この人はいつも微妙な困り顔をしていて
常に哀愁を漂わせているのですが(独断)
今日は心なしか嬉しそうな表情でした。

イリヤースの後ろにはモスクに向かって下る広い階段があって
礼拝を終えた人たちはこの階段を上って帰って行きます。
きっと何人もの子供を立派に育て上げたであろう、
どっしりと貫禄のあるおばちゃんが
旦那か息子か
男の人に優しく手をとられて一段一段階段を上って行ったり、
その横を子犬のようにじゃれあいながら
何人かの着飾った子供たちが走り抜けて行ったり。
踊り場にはライオンやらシマウマやらの
なんだか怪しげな動物風船を売る屋台が出ていたり。
どこから見ても楽しいお祭りの風景です。

ところがこのおめでたい日に
聖地エルサレムにお参りに来ることのできなかった人々がいました。
ヨルダン川西岸地区に住むパレスチナ人たちです。
イスラエルが治安維持を理由にエルサレムの周辺に検問所を設置し
パレスチナ人が市内に入るのを制限したというのです。

たしかに
お参りに行くふりをして武器や爆弾を持った輩がたくさん入り込み
混み合う祭日の街なかで爆弾騒ぎでも起こされたら
大惨事になるのは目に見えています。
でも本当にお参りに行きたいだけの素朴な信仰心を踏みにじられた人は
どんな気持ちになったでしょう。
どうしてもというのなら
荷物のチェックをすればいいだけの話ではないのでしょうか。

ラマダーンの後半
預言者ムハンマドにコーランが下った神聖な夜とされる
「ライラトルカドル(みいつの夜)」に
エルサレムのモスクにお参りする許可を
西岸地区に住むパレスチナ人がイスラエルに求めたというニュースが
数日前にアルジャジーラで放送されましたが
結局許可は下りなかったようです。

いくらイスラエルの領内とはいえ
パレスチナ人たちは自分たちの住む土地にある聖地のモスクに
自由に行くことが許されないのです。
エルサレムはユダヤ教徒にとっても聖地であり
パレスチナ人たちが聖なる日に訪れたい気持ちだって
わからないではないでしょうに。。。

エルサレムに入ることが許されなくても西岸では西岸で
それぞれの家庭で、地元のモスクで、
楽しい祭日が祝われていることを願います。
イード・ムバーラク!
by easihcugih | 2006-10-23 21:48 | ふぃらすてぃーん
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