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縮小形
アラビア語には「縮小形」というものがあります。
これは名詞に「小さな」という意味を添える語形で
たとえば「バハル = 海」の縮小形「ブハイラ」は
「湖」という意味になります。



クウェートという国名も
イラクの都市クートの縮小形から来ているんだそうですね。
もしかしたら昔
クート出身の人たちが現在のクウェートのある辺りに移り住んで
「よし、今日からここを小さなクートと呼ぶことにしよう」
なんていうふうに決めたのかもしれません(適当)。
そうだとしたら
ニューヨークとかニュージャージーとかと
同じ乗りというわけです。

さて今週
世界が注目したニュースの主役といえば「冥王星」。
発見以来76年間、太陽系の一番外側の星として親しまれてきた惑星です。
研究が進んでいろいろなことがわかってきた最近では
さまざまな理由から
冥王星を惑星の部類に入れておくのは
ちょっと無理があるんじゃないのという話になり
世界中から偉い天文学者の先生たちが
チェコのプラハに集まって多数決で決めたわけです。

結果、冥王星は惑星を「降格」
これからは「矮小惑星」とか「矮惑星」と呼びましょう、
ということになりました。

このニュース、もちろんアルジャジーラでも取り上げられました。
アラビア語で惑星のことを「カウカブ」といいます。
この響きにはなんとなく「たゆたう」とか「浮かぶ」の語感があって(独断)
惑星の「惑」の字のイメージにつながるので覚え易く
好きな単語です。
ニュースをアラビア語で聞いていたら
「カウカブ・プルートーが『クワイキブ』になった」と言っていました。
クワイキブ。「カウカブ」の縮小形です。

おお。こんなふうに使われるんですね、縮小形。
小さな惑星、つまり矮小惑星というわけなんですね。
なるほど~。
なんだかいいこと教えてもらった気分です。

さてこの「クワイキブ・プルートー」
(「冥王」のところは英語そのままなんですね)ですが
地球からなんと59億kmも離れていて
新幹線で行っても軽く2200年以上かかるそうです。西暦より長い。。。

それこそ「天文学的」という言葉がありますが
天文学者の頭の中っていったいどうなっているんでしょう。
そして今日せっかく覚えた
「クワイキブ = 矮小惑星」というアラビア語を私が使う日は
生きているうちに再び巡ってくるでしょうか?
by easihcugih | 2006-08-25 21:14 | あらびや語
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